October 10, 2008
涙と笑いのツボ押し名人「山本周五郎」
「読書、なかんずく小説を読む喜びは、もう一つの人生を経験することが出来るという点にある」───直木賞史上唯一の辞退者、「山本周五郎」の言葉である。明治36年生まれの山本周五郎の本名は、清水三十六(さとむ)。奇しくも直木三十五の一つ上を行く名前だが、受賞を辞退したこととはもちろん無関係だ。
三十六は尋常小学校卒業と同時に、とある質屋に徒弟として住み込んだ。文芸に理解のあった質屋の主は、三十六を文壇で自立するまで物心両面に亘り支援し、英語学校や簿記学校にも通わせた。
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